中総もも(2013/12/7記)

所謂美少女系エロ漫画でいつも不思議に思うのは

「何故、作家も作品も、ここまで記録に残らないのだろう」

ということ。

確かに使い捨てがポルノの常なのかもしれないけど、でもこと美少女系となれば、ファン層はオタクだし、オタクとなれば物持ちも比較的良いだろうし記録に残すのも好きなのではないか?

ましてや、部数は売れてたときは最低1万部とか出てたわけで。にもかかわらず、デモテープ数百本しか出してないアングラロックバンドの方が、よっぽど記録に残ってるわけですよ。いくらなんでも、この差は不可思議すぎる。

そんな、記録に残ってないのが解せない作家さんの一人に、中総ももさんという女流作家がいる。商業で活動してた頃は、ダントツで一番好きな作家さんでした。

上手いし、話も面白いし、絵柄も魅力的な上に非常に個性的だし、あの当時ありがちだった手抜きもしない(手馴れた感は後年あったけど)。何より、男が共感出来るヤラしさがちゃんとある。特に一番最後の項が、この作家さんのキモと思うわけで。

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女流エロ漫画家って昔から珍しくはないんだけど、特に近年になるにつれて、どんどん上から目線を感じてきてるんだねー。読み手を馬鹿にして簡単にお金巻き 上げられるような甘い世界ではないので、プロとして切り込んできてる気概は当然感じるんだけど、それでもなーんかどっか、心ここにあらずなものを、ふとし た瞬間に感じたりして。そこで「あ、これ描いてるの、女かな?」と悪い意味で分かる。女性作家が男性向けポルノを売春意識で描いてたら、悲しいよね。他人 はどうか知らないけど、僕はそんなもの求めてないし。

この方は、男のリビドーの波長をちゃんと心得てたと、僕などは考えている。 果たしてそれは、この作家さんが客観的な視点で会得したものなのか、それともご本人自身がそれを持ち合わせていたのか。後者ならば女性としては類稀な存在 だと思うんだけど、実際どうなんだろう(笑)。ある種の夢が芽生えたり。

商業がご無沙汰になり始めた頃もコミケには出てて、僕は一度そのご尊顔を拝見したことがあったのだけど、とても美しく素敵な方だった。今でも思い出せるくらいに。

少し前までサイトも持ってたのだけど、いつの間にか消滅。確か最後の商業単行本で、出産された事を綴っていたし、それからも結構経つので、今やいいお母さんなんだろうな。そっとしておきたいので、現在の消息を知りたいとは思わない。

しかし…あれだけ魅力的な作品を多々残してきたにも関わらず、アーカイブがまるでないってのはねぇ(涙)。これびっくりだよ。だって一時は別冊まで出てて、滅茶苦茶売れてたじゃないですか、この方の漫画。個人的推測では、10万人単位で読者いたのでは?

作品自体は電子配信されてるのかな?だけど、その目録とかレビューの類がちゃんとどっかでまとまってないと。

自分自身、単行本はまだまだ集められてないので、収集した上で、やってみるかな?と考えてる。
中総さん作品の目録のアーカイブ。恐らくは集めきれない数でもないだろうし、抜けも通りすがりの人に頼ろうという寸法で(笑)。

 写真は、個人的に中総さんの単行本の中で一番気に入ってる「あぶないLIP MAGIC」。写真でも分かるとおり?結構ぼろぼろで、愛読いたしました(笑)。